マリオ・マルツィ(Mario Marzi)
 イタリア・ペーザロのロッシーニ音楽院(Conservatorio Statale di Musica “G.Rossini”)でディプロマを取得、その後、フランス・ボルドーの音楽院のジャン・マリー・ロンデックス(Jean-Marie Londeix)の下で、研鑽を続け、4つの国際コンクールと9つのイタリア国内のコンクールで優勝を重ねる。

 ソリスト及びオーケストラとの活動としては、とりわけ、“ミラノ・スカラ座管弦楽団”(Teatro alla Scala)と同団を母体とするオーケストラの“スカラ・フィルハーモニー管弦楽団”(Orchestra Filarmonica della Scala)との共演が長く、20年以上に及んでおり、特に、リッカルド・ムーティとはソリストとして何度も共演している。
また、ズビン・メータには、“フィレンツェ五月祭管弦楽団”(Maggio Musicale Fiorentino)のツアーにソリストとして招かれている。 そのほか、“トリノRAI交響楽団”(Orchestra Sinfonica Nazionale della Rai di Trino)、“サンタ・チェリーリア国立音楽院管弦楽団”(Orchestra dell’Academia Nazionale di Santa Cecilia)、“ヴェネツィア・フェニーチェ座管弦楽団”(Teatro alla Fenice di Venezia)、“スイス・イタリアーナ管弦楽団”(Orchestra della Svizzera Italiana)をはじめとするイタリア国内外の数々のオーケストラと、ソリストとして共演を続けている。

 世界的に名高い指揮者との共演機会も多く、C.M.ジュリーニ、G.プレートル、L.マゼール、L.ベリオ、S.ビシュコフ、C.アバド、W.サヴァリッシュ、チョン・ミョンフン、G.ドゥダメル、R.シャイー、D.ハーディング、A.パッパーノなどと共演を重ねており、ニューヨークのカーネギーホール、ウィーンの楽友協会ホールをはじめ、世界屈指のホールでの演奏機会も多く、また、日本においても、サントリーホール(東京)やシンフォニーホール(大阪)などでも演奏している。

 マルツィは、20世紀の音楽作品にも熱心に取組んでおり、当代サクソフォンにとって意義深い幾つかの作品が彼のために献呈されている。また、室内楽の分野における活動も精力的に取り組んでおり、特に、ミラノのスカラ座管弦楽団のソリストを中心に結成された“スカラ室内管弦楽団”(Ensemble Strumentale Scaligero)や、自身をリーダーとするトリオ“タンゴ・イ・アルゴ・マス”(Tango y algo mas)では、何度も来日し、好評を博している。そのほか、アコーディオンのシモーネ・ザンキーニ(Simone Zanchini)とのデュオやピアノのパオロ・ザンニーニ(Paolo Zannini)とのデュオなど、長年多くのグループで活動を続け、クラシックはもとより、現代音楽やタンゴ、ジャズなどの作品の演奏でも高い評価を受けている。

 国内外の国際音楽フェスティバルやサクソフォンフェスティバルにも参加を続けており、そうした中で、国境を越えた友情で結ばれたサクソフォン・カルテット“ブロス・カルテット”(Bros Quartet)を、北アイルランド出身のジェラルド・マクリスタル(Gerard McChrystal)、スペイン出身のアントニオ・フェリペ・ベリハール(Antonio Felipe Belijar)、ポルトガル出身のジョアン・ペドロ・シルヴァ(Joãn Pedro Silva)と結成したほか、ギターのジュリオ・タンパリーニ(Giulio Tampalini)とのデュオや、クラリネット/サックスのアキーレ・スッチ(Achille Succi)とのデュオ、さらには、作曲家で、マルチ演奏家のステファノ・イアンネ(Stefano Ianne)とパーカッション奏者のステファノ・カルヴァーノ(Stefano Calvano)とのトリオ“イアマカ”(IaMaCa)など、新たなグループでも活発な活動を展開し、コンサートのみならず、録音活動も行っている。

 彼のCDは、BMG、Sony Classical、EMI、Stradivariusなどのレーベルから発売されている。クラシック・サックスのスタイルのCDとしては、ソリストとして、グラズノフのサクソフォン協奏曲や、ミヨーのスカラムーシュなどの作品を取り上げたもの(ARTS)、また、ピアノとのデュオでもフランスの作曲家の作品を取り上げたもの(Stradivarius)などがある。現代音楽の分野では、ピアノとのデュオで、イタリアの作曲家の作品を取り上げたもの(Stradivarius)や、ピアノとアコーディオンとのトリオでバルトークや東欧の民族舞曲、リゲティなどを取り上げたもの(LIMEN MUSIC)などがある。演奏活動同様に、ラテンやジャズなどクラシックの枠にとらわれない作品の録音も数多く行っており、ピアソラの“リベルタンゴ”など来日公演でも度々演奏され、好評を博している作品を録音したもの(Stradivariusなど)をはじめ、即興で彩るバッハや、ミニマム・ミュージックなど、異なるグループ、スタイルでさまざまな録音を楽しむことができる。

  奏者としての活動のほかに彼は、後進の指導にも熱心で、イタリア・ミラノの“G.ヴェルディ音楽院”(Conservatorio Giuseppe Verdi di Milano)で教鞭を執っているのをはじめ、イタリア各地のみならず、オポルト(ポルトガル)、アムステルダム(オランダ)、フランクフルト(ドイツ)、デンバー(アメリカ)、北京(中国)など、世界各地でも毎年マスタークラスを開催しているほか、“アドルフ・サックス国際コンクール”をはじめとする国際的なサクソフォンコンクールにおいて審査員を務める機会も多い。  

 また、2009年に、イタリアのゼッキーニ出版社から、サクソフォンの歴史から技術までを網羅した専門書“il saxofono”(伊語)を、出版している。



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2023.01.16
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